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片頭痛がツライ・・・



■片頭痛とは
片頭痛とは、頭の片側または両側のこめかみ付近がズキンズキンと脈打つような痛みが

繰り返し起こることです。
吐き気を伴うこともあり、月に1~2回や、週に1~2回の頻度で起こり、
いったん痛み出すと寝込んでしまう、仕事が手につかないなど、多くの方が
日常生活に支障をきたします。


光や音、においなどさまざまな刺激によって、顔面や頭部の感覚をつかさどる
三叉神経の末端から血管に作用するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)や
サブスタンスPなどの神経伝達物質が分泌されます。
それらの働きで、脳の表面(硬膜)の神経と血管の周囲に炎症が起こり、
血管が拡張して痛みが起こると考えられています。



■片頭痛の症状
片頭痛かどうかを判断する症状として、ポイントになるのは以下の3つです。

①生活に支障がでるほど痛みが重い
片頭痛の場合、「動けない」「休みたい」と感じるほど重い頭痛が生じ、
仕事や家事などに支障が出ます。
体を動かすと痛みが悪化します。椅子に座った」状態で体を前に倒し、
頭を左右に振った時に痛みが悪化するようであれば、片頭痛の可能性が高いと考えられます。


②吐き気や嘔吐を伴う
片頭痛が生じると、消化器官の動きにも影響が出るため、吐き気がしたり
実際に嘔吐してしまったりすることがあります。下痢する人もいます。

③光や音、においに敏感になる
普段であれば気にならない光や音、においに対して敏感になることがあります。
こうした刺激がわずらわしいあまり、「暗くて静かな部屋で休みたい」と
感じる人もいます。

このほか、片頭痛では以下のような症状がみられることがあります。

④脈打つような拍動性の痛みがある
ズキンズキンと脈打つような拍動性の痛みが生じるのも、片頭痛の特徴です。
ただ、「脈打つ感覚がよく分からない」というケースも少なからずあり、
片頭痛以外の頭痛でも「脈打っているような気がする」と訴える
患者さんもいるため、自覚している痛みが拍動性かどうかだけでは、
片頭痛と判断することはできません。


拍動性の痛みに加えて、上記①~③のいずれかの症状があれば、
片頭痛である可能性が高くなります。

⑤前兆として視界がキラキラ光る「閃輝暗点(せんきあんてん)」がある
片頭痛持ちの約3割の人では、頭痛の前兆として、視界にキラキラ、チカチカとした
光が広がる「閃輝暗点」という視覚症状生じることがあります。
閃輝暗点は頭痛が始まる前に出現し、5~6分持続して徐々に消え、
その後すぐに頭痛が始まるとされます。

⑥頭の片側だけが痛むとは限らない
「片頭痛」と書くくらい、片側が痛むのは特徴ですが、両側が痛むこともあります。

⑦1回の発作が4~72時間継続する
1回の片頭痛発作が継続する時間は、4~72時間です。
薬も飲まずに30分でおさまる頭痛や、一度も良くならずに
4日以上続く頭痛は、片頭痛ではないと考えます。

⑧発作が生じる頻度はさまざま
片頭痛発作の頻度は、人によって異なります。
年に数回という人もいれば、月1回という人もいますし、週に何日も痛む人もいます。
環境や生活習慣、鎮痛薬の飲みすぎなどから、頭痛の頻度が徐々に増えて
慢性片頭痛のなってしまうことがあります。
この状態になると治療は大変困難となってしまうため、その前の段階で
適切な治療を受ける必要があります。



■頭痛のタイプ
代表的な一次性頭痛には、片頭痛のほかに緊張型頭痛群発頭痛があり
それぞれ特徴が異なります。


緊張型頭痛
緊張型頭痛は、肩や首のこりとともに、頭が締め付けられるような痛み。
毎日のようにおこる頭痛ですが、それほど強い痛みではなく、
仕事や日常生活ができなくなるようなことはまずありません。
精神的・肉体的、どちらのストレスも引き金となり多くの場合
「頭に輪をはめて締め付けられるような」と表現される頭痛を起こします。


群発頭痛
激しい痛みが片側の目の奥に起こります。
「目の奥をえぐられるような」・「柱に頭をぶつけたくなるような」と形容されるような
激しい痛みが、片側の目の奥で起こるのが特徴です。
涙が出て、目が充血し、鼻水がでるなどの症状を伴います。
多くの場合、年に1~2回、期間は1~2か月、毎日のように激しい頭痛が繰り返し起こります。



■片頭痛の原因
片頭痛がなぜ起こるのか、メカニズムは完全には解明されていませんが、
複数の誘因が引き金となって三叉神経が刺激され、痛みを引き起こす物質が
分泌されることで、炎症や血管の拡張が生じて頭痛が起こるとされています。

片頭痛の引き金となる誘因としては、体質など遺伝的な要素やストレス、
睡眠不足や寝すぎ、飲酒、光、音、においなどの刺激、月経周期、天候など
さまざまなものが挙げられます。
実際にどれが誘因になるかは人それぞれ異なりますが、これらの誘因が
複数重なることによって、片頭痛が生じると考えられています。


■片頭痛の治療法

痛みがあるときの対処法

●暗い静かな場所で横になる
片頭痛は、光のまぶしさや音によって痛みが増すことがあります。
また動くと痛みがが増すので、光や音を防いで安静に過ごしましょう。

●冷やしたり押さえたりする
痛いところを、冷やしたり、圧迫したりすることで痛みが和らぎます。

●カフェインの入った物を飲む
カフェインには血管を収縮させる働きがあるため、痛み始めにコーヒーや緑茶などの
カフェインを含む飲み物を飲むと痛みが和らぐことがあります。



なお、片頭痛や緊張型頭痛の方が、月に10日以上
市販の鎮痛薬や処方薬を服用するのは注意が必要です。
このような状態が3か月以上続くと、薬の飲みすぎにより
かえって頭痛が増えたり、新たな頭痛が起こったりする場合があります。
月に15日以上頭痛があり、月に10日以上(単一成分の鎮痛薬は月に15日以上)
市販の鎮痛薬を服用している状態を「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」といいます。


「薬剤の使用過多による頭痛」は片頭痛、緊張型頭痛など、一次性頭痛を持つ人は
鎮痛薬などを使いすぎることにより起こる頭痛です。
例えば、関節リウマチの患者さんが毎日鎮痛薬を服用しても
「薬剤の使用過多による頭痛」は起こらないといわれています。
したがって、片頭痛や緊張型頭痛を持つ人は十分注意が必要です。
鎮痛薬を飲みすぎている人は、ぜひ頭痛専門医を受診してください。



■片頭痛の予防
片頭痛を予防する為には、引き金となる」ような行動は控え、
規則正しい生活を心掛けることも大切です。


片頭痛の予防に役立つ情報を紹介していきます。

●ストレスを上手に発散する
ストレスが片頭痛の引き金になることもあります。
逆に、ストレスから解放される週末などに片頭痛の発作が起こるケースもあります。
ストレスや疲労をため込まず、上手に発散しましょう。


●リラックスする時間を設ける
疲労や筋肉のこりを感じるときは、ソファーにゆったり座ったり、
ベッドに横になったりして体の力を抜いてみましょう。
自律神経のバランスを整えることも大切です。


●片頭痛の引き金になりそうな行動を避ける
(アルコール・激しい運動など)
どんなとき片頭痛の発作が起こりやすいのか、ある程度予測できるケースもあります。
たとえばアルコール摂取や激しい運動が片頭痛の引き金になれば、
避けるようにしましょう。
騒音」や眩しい光などが引き金になる人は、うるさい場所などは避け、
炎天下の外出などではサングラスをかけるのも予防につながります。
また、寝不足や寝過ぎも影響するので、規則正しい生活ができるよう
生活改善も必要です。