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むくみ(浮腫み)とは?

むくみ(浮腫)って?



むくみは「体の水分と大きく関わる」とは、何となくわかります。
人の体は、約60%が水分でできているということを聞いたことがある人も多いはずです。
その体内の水分の3分の2は、「細胞内液」という細胞の中に含まれる水分で、残りは
「細胞外液」といい、血液に栄養を送ったり、老廃物を除去する役割を担っています。
細胞や血管の中を行き来して体内の水分のバランスを保っているのも特徴です。

でもこのバランスが崩れて、細胞と細胞の間に水がたまり、以上に増加したのが
「むくみ」です。
ちなみにむくみとは、いわゆる俗称で、医学的用語でこれを「浮腫」といいます。
多くの「むくみ」は、病的なものではありません。



むくみやすさチェック

□ 長時間立ちっぱなし
□ 寝不足気味
□ あまり体を動かさない
□ 体が冷えやすい
□ 塩辛い食べ物を好んで食べる
□ アルコール類を飲む

これらの項目は全てむくみの原因となるため、当てはまるチェックの個数が多いほど
むくみやすい傾向にあります。



むくみの原因

◆ 病気以外(生活習慣)
足は体の中で地面に最も近い場所にあるため、血液が重力によって最も溜まりやすい部位になります。
通常は、足の筋肉や静脈の逆流防止弁の作用で、足で使われた血液は心臓に還っていきますが、
運動せずに足の筋肉を使われなかったり、立ち仕事やデスクワークで同じ姿勢を長時間
取り続けたりすると、足の血液は心臓に戻れずに足に溜まった状態になります。
足に溜まった血液中の水分は血管から外にでてむくみを生じてしまいます。
毎日のウォーキングやデスクワークの中の足の運動や昼休みなどの下から上へ足をさするような
マッサージを心がけましょう。

飲酒
アルコールを多量に飲むと、血管が拡張するため、血管から血管外へ水分がもれだし、
むくみを生じます。

◆ 貧血
医学的にいう貧血は一般的に使用されている「ふらふら」「めまい」などの
意味ではありません。赤血球という酸素を各臓器に運ぶ細胞が少なくなることです。
赤血球が少なくなると、それを補うために血液全体の量を増やそうとして、結果的に
静脈内の圧力が高まり、水分が血管から外へ出ていくため、みくみが生じます。
貧血は血液検査で赤血球数、ヘモグロピン濃度(血色素量)、ヘマトクリット値を
チェックすることで診断できます。

◆ 心不全
心臓は血液を全身に送り出すポンプの働きをしています。
心不全とは心臓のポンプの機能が低下する状態です。
心臓のポンプ機能が低下すると、全身で使われた血液が心臓に戻りにくくなります。

戻りにくくなった血液の水の成分が血管の外へしみ出すことにより、むくみが生じます。
心不全の場合のむくみは、息切れや呼吸困難、動悸などを伴うことが多いです。
胸部X線(レントゲン)、血液検査(BNP)、心臓超音波検査などで診断することが
できます。

腎不全
腎臓は、体に不要になった、老廃物、水分などを体外に排泄したり、タンパク質などの
必要な物質を体内に維持するなど、身体の水分の量や体液中の様々なミネラルの濃度を
調節する働きをしています。腎不全は、腎臓の機能が低下する状態です。
腎臓の機能が低下すると、不要な水分を体外に出せなくなったり、時には体に
必要なタンパク質が少なくなったり、体内の水分量が多くなってしまうため、
むくみが生じます。

薬剤性
むくみの原因には、薬剤の副作用があります。むくみの副作用がみられる薬剤には、
高血圧治療薬のカルシウム拮抗薬や高糖尿病薬のピオグリタゾン、副腎質ステロイド、
非ステロイド抗炎症剤等があります。

低栄養、低タンパク血症
食事が十分にとれなくなると、体の中のタンパク質が少なくなります。
タンパク質が少なくなりと、血管の中に水分を保持することができなくなり、
血管の外へ水分が漏れてしまい、むくみが生じます。
低タンパク血症は、血液検査で総タンパクやアルプミン濃度を測定することにより
診断できます。

甲状腺機能低下症(橋本病)
甲状腺はのど仏のあたりにある、体の新陳代謝を調節する甲状腺ホルモンを分泌する
臓器です。甲状腺機能が低下すると甲状腺ホルモンが低下するため、体の各部位での
水分の調整もうまくできなくなり、むくみが生じます。
血液検査や超音波検査で診断することができます。

局所的な炎症
打撲や関節炎などの局所的な炎症により、その周囲にむくみが生じることがあります。
原因となる炎症を思料することが必要です。

下肢静脈瘤
下肢静脈瘤とは、足の静脈が瘤のようにふくらんでしまう状態です。
下肢静脈瘤は、静脈にある逆流防止弁の働きが壊れて、血液が逆流してしまうことが原因です。
この逆流により足の血液の交通渋滞が起きるため、逆流している足にむくみが生じます。
超音波検査で診断することが可能です。

深部静脈血栓症
深部静脈血栓症とは、足の静脈が血栓で詰まる状態です。
急激に片側の足が赤く、腫れ上がります。飛行機などの乗り物に足を自由に動かせない
状態で乗っていたり、手術など長時間寝ていたりする際に起こりやすいことが
報告されています。足の静脈にできた血栓が足から流れでて、肺の血管が詰まってしまうと
命に関わるため注意しておく必要があります。(エコノミークラス症候群)
深部静脈血栓のむくみは、むくみ部分に痛みを感じることが多いです。
血液検査、超音波検査や造影CT検査で診断することが可能です。
深部静脈血栓症では、血液を固まりにくくさせる薬剤による治療を行います。

リンパ浮腫
リンパ浮腫とは、リンパの流れが悪くなり足が腫れている状態です。
リンパ浮腫には、1次性リンパ浮腫と2次性リンパ浮腫があります。
1次性リンパ浮腫は、生まれた時からリンパ管の発達が良くありません。
一方、2次性リンパ浮腫は、癌に対する放射線治療や手術によって起こります。
ほとんどのケースでは、片側の足にあらわれますが両足に現れるケースもあります。
徐々に皮膚が硬くなっていきます。主な治療法は、マッサージやストッキング着用
ですが、症状によっては手術を行うこともあります。

生理や妊娠を伴うむくみ
生理前や妊娠時には、女性ホルモンのバランスが変動するため、むくみやすくなります。
深部静脈血栓症に特徴的な症状がなければ、まずは産婦人科、女性診療科へご相談ください。


むくみの解消法



【顔】

冷水・温水で交互に洗顔
朝、起きて顔がむくんでいると感じたら、冷水と温水で交互に洗顔しましょう。
冷水と温水で交互に顔を洗うことで、血管の収縮と拡張を繰り返し
むくみを解消します。

ホットタオル
ハンドタオルを水で濡らして絞り、電子レンジで1分ほど加熱。
作ったホットタオルを、顔に乗せて温め、顔の血行を促し、むくみを解消。
メイクののりもよくなります。

マッサージ
すべりのよいクリームを顔全体と首、手につけてマッサージを行います。
まずは、顔の中心から外に向かって、手のひらで優しく顔をさすりましょう。
次に、耳から鎖骨に向かって首のサイドをさするように流します。
その後、鎖骨の上にあるくぼみを、ゆっくりと押してみます。
鎖骨や首の周りにはリンパ節がたくさんありますので、強く押さなくても
顔のむくみがスッキリ。
いつものスキンケアのついでに行えば、普段からむくみ予防ができます。


【体】
ストレッチやエクササイズをする
むくみは血液やリンパ液など、体液が停滞することで起こります。
その停滞をいち早く解消できるのがストレッチです。
特に、むくみやすい足は、膝の曲げ伸ばし、足首をまわすなどして
凝り固まった筋肉や関節をストレッチするのがおすすめです。
また、つま先立ちになってかかとを上げ下げするエクササイズは、
ふくらはぎの筋肉のポンプ作用でむくみを解消します。

マッサージする
むくんだ部分は、手でマッサージをして血液やリンパの流れをよくしましょう。
ポイントは、心臓から遠い部分から近い部分に向けて流すこと。
例えば、足のむくみを取る場合は、足先からももに向かって行います。
足首や膝の裏、足の付け根など、関節まわりもむくみやすいので、
しっかりマッサージしましょう。

むくんだ部分をあげる
特に足に効果的な方法です。重力の影響でどうしても足はむくみやすくなりがち。
足がむくんだら、オットマンなどを利用して足を水平にしましょう。
その他、床に寝て脚を壁やベッドなどに立てかける方法も。

湯船に浸かる
お湯をためてゆっくり湯船に浸かれば、むくみもスッキリ!
しっかり体を温めることで、血流促進。またお湯の水圧で適度に
体に圧がかかり、滞った水分を流してくれます。
湯船に浸かるのがベストですが、湯船にお湯をためる時間のない人は、
シャワーの時に足元だけお湯をためて足湯にするだけでも、効果アリ。

カリウムの多い食材を摂る
むくんでいるなと感じたら、積極的にカリウムが含まれてる食品を摂りましょう。
カリウムには、ナトリウム(塩分)を尿として体外に排出する働きがあり、
代表的な食材は、バナナやリンゴ、メロンなどがあります。その他
野菜や果物に多く含まれるので、積極的に摂るようにしましょう。
腎機能が低下している場合は、カリウムを含む食材は控えるべきなので、
主治医に相談してください。