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高齢者の骨折




高齢者に多い4大骨折とは

・上腕骨近位端骨折(肩)

上腕骨近位端とは、腕(肩)の付け根部分を指します。
左右どちらかに肩から転倒したり、手をついたりした場合に起こりやすい骨折です。
治療法は保存療法と手術療法の2つが存在し、骨折の程度や生活スタイルに合った治療法が進められます。


・橈骨遠位端骨折(手首)

橈骨とは、肘から手首にかけてある2本の骨のうち親指側にある骨の事で、遠位端とは体幹から遠い場所(手首)を意味します。
転倒したときに手をついた衝撃で骨折してしまいます。
治療法は保存療法と手術療法があり、骨がズレていなければギプスなどを使って保存療法、骨のズレを認める場合は手術が適応されることが多いでしょう。


・大腿骨近位部骨折(太ももの付け根)

大腿骨近位部骨折には2種類あり、太ももの付け根の外側にある骨が出っ張た部分(転子部骨折てんしぶこっせつ)と転子部の内側にある(頸部骨折けいぶこっせつ)があります。
尻もちをついたり、体がねじれるように倒れたりすることで起こる骨折です。
大腿骨近位部骨折は足を動かせないほどの痛みを伴うため、手術療法が適応されることが多いです。


・脊椎圧迫骨折(背中・腰)

脊椎とは背骨の事で、尻もちをつくことで骨折することが多いですが、骨粗鬆症が進行していると、くしゃみでも骨折することもあります。
コルセットを使った保存療法が一般的ですが、骨折の状態によっては手術が適応されることもあります。

高齢者の骨折は寝たきりの原因にも

高齢者の骨折には、骨粗鬆症による骨の脆弱化が基礎にあり、わずかな外力でも骨折を起こすことが特徴です。一度骨折を起こすと長期の安静が必要で、「寝たきり」の原因になる可能性もあります。また高齢者が骨折する原因のほとんどは「転倒」です。


高齢者の骨折の治療

骨折の治療は、手術療法と保存療法に分かれます。
保存療法の場合は、骨折部位が安定するまで数週間から数カ月間、骨折部の安静を保つ必要があります。脊椎圧迫骨折や橈骨遠位端骨折、上腕骨近位端骨折で骨折部が安定している場合は、保存療法が選択されることが多いです。
しかし大腿骨近位部骨折の場合、長期安静により筋力低下、認知症、肺炎、褥瘡などを発症し、寝たきりになる頻度が高いことがわかっています。可能であれば手術療法を選択し、早期からリハビリを行い機能回復をはかることをおすすめします。

高齢者の骨折予防(骨粗鬆症)

高齢者の骨折は予防が何より重要です。まずは骨粗鬆症のケアに取り組みましょう。
(骨粗鬆症のケア)
・定期的に検診を受け、骨粗鬆症の程度を評価する。
・骨粗鬆症があれば内服薬や注射薬などの治療で進行を抑える。
・カルシウム、ビタミンD、たんぱく質などの栄養素を適量に摂取する。
・運動、日光浴を行う。

高齢者の骨折予防(運動)

高齢者が骨折を予防するために必要なこと2つ目は「運動習慣をつける」です。
その理由は、高い運動機能を保つことで、骨折しにくい体になるからです。運動習慣がないと筋力や体力、バランス能力など運動機能が低下してしまいます。
また骨に負荷がかかることで、骨の強度が上がるともいわれています。
そのため運動習慣を身に着けて高い運動機能を保ち、強い骨を作っていくことが大切です。